楽譜のご紹介
クリスマスソングを集めたクリスマスソングフェイクブックというのがアメリカにはあります。200曲ぐらいはあったと思いますが、ほとんどどの曲が似たような曲調で、頭が痛くなるような感じのものです。よくこれだけ似た曲を集めたなあという感想を持ったことがあります。しかし、この曲は1818年からある曲で、フェイクブックのように商業ベースの曲ではありませんので、そんなことはありません。
作曲はグルーバーという人で、1818年12月25日にオーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演されました。この歌にまつわる逸話として、 “クリスマス・イヴの前日、教会のオルガンが発音できない状態になったことがあります(音の出なくなった理由はネズミにかじられた等、諸説あり)。
そして、クリスマスに歌う賛美歌の伴奏ができなくなり、急遽ヨゼフは“Stille Nacht”の詞を書き上げ、グルーバーに、この詞にギターで伴奏できる讃美歌を作曲してくれるように依頼をしました。
グルーバーは最初「教会でギターを弾いても誰も気に入らないのではないか?」と懸念していましたが、ヨゼフの説得もあって詞に曲をつけることを了承しました。
グルーバーは一晩中懸命に考え続け、ついにこの曲を完成させました。曲が完成したのは教会でミサが始まるわずか数時間前のことであった という逸話がありますが、近年の研究では数年前にヨゼフは詩を完成させていたという説が有力です。しかし、グルーバーが短期間で作曲したのは正しいと推測されています。
クリスマス関連の曲ということで、いろいろ調べてみると、知っている曲はほぼ、著作権有効ということで、ご紹介できる曲も限られてくるというのが実態のようです。ちなみに、「そり遊び」「赤鼻のトナカイ」など、なさそうですが、あります。そのほかのたくさんの曲も意外に著作権が有効でちょっと残念です。