楽譜のご紹介
《Träumerei》は『夢』、『夢想』を意味します。この曲は私が通っていた小学校の下校時間に必ず流れていた曲です。なんとなく、悲しいような、腰に力が入らなくなるような、子供の心を安寧とさせるものがあるようでした。登校・下校時には、いろいろなクラシック有名曲を流していて、知らず知らずに耳に残っています。田舎で、近所に住宅などなく、あったとしても、今のように苦情にはならないような、そんなのんびりとした時代でした。そののんびりした感じがまたクラシックの曲を引き立てるような感じで、周りの自然と溶け込むように、子供たちの声とともに耳に入ってくるのでした。
この元となる『子供の情景』の作曲は1838年に着手されたが、曲の大部分は2月から3月にかけて作られ、全曲の完成は4月まで要しました。（ただし一部は前年の1837年から作られている）。そしてシューマンは30曲ほど作った小品の中から、12曲を選び出して『子供の情景』と名付けたといいます。その第七曲にあたります。「夢」を意味する題名をもつこの小品は、美しく親しみやすい旋律のゆえに曲集のなかでもとりわけ有名となり、他の楽器のために編曲して演奏されることも多いです。しかし、素朴な外見にもかかわらず、不規則な拍節法など、ドイツ・ロマン派の特有の複雑な書法もみられ、高度な内容をもった音楽となっています。シューマンの日記によると「トロイメライ」が2月24日に、「十分に幸せ」が3月11日にそれぞれ作曲されています。
トランペット楽譜
トロンボーン楽譜
アルトサックス楽譜
フルート楽譜
演奏例
