曲の由来、鳥刺しとは?
『魔笛』(まてき、独: Die Zauberflöte)K. 620は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1791年に作曲したジングシュピール(歌芝居、現在では一般にオペラの一種として分類される)。モーツァルトが生涯の最後に完成させたオペラです。台本は興行主・俳優・歌手のエマヌエル・シカネーダーが自分の一座のために書いたものです。現在もモーツァルトのオペラの中で筆頭の人気を持ちます。
『魔笛』第1幕で、パパゲーノの初めての登場時に歌われます。歌の内容はパパゲーノの職業である鳥刺しについて歌ったものです。パパゲーノの陽気さを率直に表したアリアです。
この題名の鳥刺しですが、鳥の刺身ではなくて、鳥を生け捕りにする職業を言うようです。あくまでも、生け捕りであって、鳥を串刺しにして、食うのではないのです。貴族などは、珍しい鳥の様子を観賞用にしていたようです。
日本でも、そういうものがありました。ただ、姿というより、鳴き声を楽しむということで、身近では祖父もウグイスを飼っていました。独特の四方を障子に囲まれている鳥かごで、もっぱら世話を祖母がやっていました。この趣味は何と平安時代からあって、江戸時代には行商人もいたそうです。今は法律で禁止されているようです。
魔笛はモーツァルトの最晩年の作品 で、エジプトを舞台としている時代設定がはっきりしない歌劇です。めちゃくちゃ簡単に言うと、美女を得るためにあらゆる苦難を乗り越え、悪者を退治するみたいな内容で、ハリウッドの映画でも見た内容のような気がしますが、元ネタはこっちの方だったということでしょう。私は鳥刺しという訳が不適切でもう時代とともに適宜、変えるべきだと思います。いまだに明治の訳のままのような気がする一つです。