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【無料楽譜】中山晋平『ゴンドラの唄』

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楽譜のご紹介

 『命、短し…』というつかみが強烈な詩から始まるこの曲を知らない人はいないと思いますが、長年、それがどうして『ゴンドラの唄』なのか意味が不明でした。『ゴンドラ』があのイタリアのベネチアの『ゴンドラ』とは違うのか、などと思って、その後、詩の題名自体も忘れていたのです。

 今回調べて分かったことは、ツルゲーネフの『その前夜』の演劇に際して、日本のオリジナルでイタリアベネチアのシーンに、挿入曲としてあてたのが、この曲だったということです。大正時代のことですので、すべてが今とは違う時代のことです。

 「ゴンドラの唄」(ゴンドラのうた)は、1915年(大正4年)に発表された歌謡曲。吉井勇作詞。中山晋平作曲。芸術座第5回公演『その前夜』の劇中歌として生まれ、松井須磨子らが歌唱、大正時代の日本で流行しました。

 「カチューシャの唄」を手がけた中山晋平により作曲され、同曲同様に大衆の支持を得ました。中山によれば、母の死の直後、悲しみに暮れる帰りの汽車の中で「『ゴンドラの唄』の歌詞が語りかけて」きて、「汽車の揺れとともに、自然と旋律がわいてきた」 のだということです。

 歌詞はアンデルセンの「即興詩人」(森鴎外訳)の一節を基にしています。

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『読売新聞』の1915年4月29日付にライオン水歯磨の「ゴンドラの唄」への協賛広告が掲載され、「ゴンドラの唄」の4番までの歌詞が紹介されました。

 最後の、この曲の文句は『明日の月日は ないものを』というかなり、脅迫的なものでした。昔の化粧品のCMに『25歳はお肌の曲がり角』というフレーズがありましたが、これも、そうですが、逆に『美魔女』などというのも、逆説的ではありますが、脅迫的に聞こえなくもなく、男性の頭髪が薄くなるのと同じように、元には戻らないものとして受け入れざるを得ないときが来るのですが、相当きつい。人間だれしも、自分は違うという意識が、たぶん死ぬまで続くのだろうと思う昨今です。

 中山晋平作曲のこの曲は、当初は酷評を受け、「カチューシャの唄」ほどの爆発的なヒットにはならなかったとされています。作曲者の中山は1931年(昭和6年)末に行った講演「演劇及び映画に於ける所謂主題歌に就いて」で、この曲があまり流行しなかった理由を長旋法(長調)で(当時の日本の歌曲では珍しかった)6拍子のメロディが当時の(日本)人には受け入れづらかったのであろうと推測しています。

 ただ、1920年(大正9年)に大原社会問題研究所が大阪市内にて調査した「現時において最も普通に歌われてゐる流行歌」約100曲のリストに「ゴンドラの唄」が挙げられていることから、ある程度は流行したものと考えられています。しかし、その後この曲は「カチューシャの唄」と並んで100年にわたり歌い継がれる曲となっています。

 この曲は、戦後では、あの森繁久彌さんの歌で、印象に残っています。私が子供のころ、多分、森繁さんの全盛期だったのだと思います。変なおじさんの印象が残っていますが、映画の駅前シリーズの影響だと思います。全体がふざけた感じで、とぼけて歌う、それを勝手に見ている方が味だと思った、そんな時代だったんじゃないかと思います。

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