楽譜のご紹介
『誰か故郷を思わざる』は、1940年に発表された戦時歌謡です。作詞は西條八十、作曲は古賀政男、歌は霧島昇で、故郷を離れた若者の望郷の念を歌っています。曲名は「誰も故郷を想わないはずがない」という反語です。この曲は、古賀政男の故郷である福岡県大川市の情景がモチーフとなっており、彼の家族についての思い出も織り込まれています。この曲は、戦地で人気を博し、後に同名の映画も作られました
もちろん私は戦後生まれなので、懐メロや父の唄声やらで耳にしているだけなのですが、この文語調の歌詞が結構、耳に残っていました。私は昭和20年代後半の生まれですが、父はギリギリ戦争に行かなくて済んだ世代でした。戦争体験については、もっぱら同級生のお父さんの話などで聞いたぐらいです。そして、懐メロで聞くこの曲は、両親が結婚したときに持ち寄った白黒のちょっと分厚い写真を思い出させるようなものでした。とても、現実のものとは思えない遠い曲でした。
しかし、太平洋戦争当時も、米軍のラジオからジャズやタンゴなどが聞き取れたそうです。以前、湯川れい子さんが話しておられたことで、出兵する年の離れたお兄さんが口笛で吹いてくれたのが、ハリー・ジェームスの『スリーピー・ラグーン』だったということです。題名もわからずに過ごし、やがて戦争が終わり、ラジオから聞こえたこの曲に、あの時の曲だということで、鮮明にお兄さんの事を思い出されたそうです。
かたや文語調の歌詞に覆い隠されたような感情吐露の曲と、思いのままに演奏されるジャズの響きと、それが戦後にも引き継がれていく2大潮流になっていくのだろうと思います。
楽譜は、トランペット、トロンボーン、アルトサックス、フルートの順に並んでいます。楽譜をクリックすると、販売サイトに飛びます。
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