曲の由来
《4手のためのワルツ集(または16のワルツ)》作品39は、ヨハネス・ブラームスによるピアノのための連弾曲集です。1865年に出版され、畏友エドゥアルト・ハンスリックに献呈された。作曲者自身の見込みに反して、ビーダーマイヤー時代における家庭音楽への需要の高さから、売上げは非常に好調で、ほかに独奏版も発表されました。
また、作曲者自身の編曲による2台ピアノ版(第1、2、11、14、15番のみ)も発表されています。ショパンのような高雅な洗練には欠けるものの、総じて小ぶりで親しみ易いものです。楽曲ごとに様々な性格の違いが見られ、ウィンナワルツよりもレントラーに近いもの、リズムに凝ったもの、スラヴ風の愁いを含んだもの、ハンガリー風のにぎやかな曲想をもつもの、子守唄風のもの、夜想曲風のものとさまざまです。
しかし、簡潔で素朴なうちにも、緊密で明晰な形式感や、音楽的な趣味といったブラームス作品の特徴が凝縮されており、ちょうどショパンの場合の《24のプレリュード(前奏曲集)》作品28と似たような特質を帯びている。(このブログでは、4番と15番雨だれの楽譜があります)
この曲はワルツですが、なんとも地に足がついたというか、地味というか、落ち着いた感じがします。ブラームスが32歳ぐらいの時に書いたものだそうです。1864年ということなので、アメリカでは南北戦争の時代で、リンカーンが大統領の時です。日本では池田屋事件が起こった時です。当のオーストリアはというと、これがよくわからないのです。こことイタリアあたりの歴史がどうもあいまいで適切なことが書けません。残念です。