楽譜のご紹介
オスマン帝国による2度のウィーン包囲(特に1683年の第二次ウィーン包囲)に随行した軍楽隊メフテルによる影響で、18世紀頃西欧にはトルコ趣味が流行していました。
モーツァルトの『ピアノソナタ第11番』は18世紀後半に作られましたが、具体的な年代は不詳です。
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの交響曲第100番『軍隊』は、1793年から1794年にかけて作曲されました。
そして、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」はアウグスト・フォン・コツェブーの戯曲『アテネの廃墟』の付随音楽として、1811年秋から1812年にかけて作曲されたものです。
≪『アテネの廃墟』のあらすじ≫
知恵の女神ミネルヴァはソクラテスに対する嫉妬心から裁判所で彼を弁護をせず、その罪として彼女はゼウスによって2000年の眠りに就かされます。そして2000年の眠りが終わった時、ミネルヴァが目を覚まし、メルクリウスによってアテネへ連れて行かれのです。
彼女は愛するアテネが瓦礫と化し、トルコの支配下にあるのを見て愕然とします。ローマも似た荒廃ぶりだと教えられる。メルクリウスによれば、ミューズたちはハンガリーのペストへ逃れたという。そこでミネルヴァとメルクリウスはペストへ旅立ち、この地で人間が神々とミューズたちに忠誠を尽くしているのを見出す。ペストは新しいアテネとして蘇ってゆく。
さらに、その根底になる歴史はこちらの動画である程度理解できます。