2018年のトランペット練習の成果

奏法さすらい記
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今年ももうすぐで終わります。2016年あたりでは、鉛筆をくわえる方法によるトランペットのセッティングの仕方を学びましたが、次の年はそれを捨て、日頃やっているスーパーチョップスの教科書に戻って、練習するという流れとなっていました。しかし、段々と持久力に問題が出てきました。

もとより私のような週2回の練習にこだわっているものにとって、スーパーチョップス以前に、この鉛筆をくわえるトレーニングは必要なことだと思い返し、再度、挑戦するようになったのが、今年の夏頃からです。

しかし、ここでも満足のいく成果が出ず、どうも鬱々としていました。もちろん、練習するときは、毎回同じ内容の練習と練習曲を実施していますので、数年前に比べて上達していることは明白なのです。

ところが、たまにやってくるすこぶる調子のいい瞬間を継続することができない、または、その理由がわからないという感じのぬぐい切れないもやもやがあるのです。

先日、鉛筆の方法を紹介している書籍(Kindle版)を読み返し、同じ著者の別の書籍を探し、購入してみました。確か値段は1000円ちょっとしかしませんので、ちょっとでも足しになればいいという思いから手にしました。英書ですので、すらすらと読むわけではないですが、ページ数もそんなにあるわけでもなく、難しいものでもありません(最近、Kindle版の英書には、単語を選択すると日本語訳が出るサービスが有り、また、キーワードなどには英語の簡単な説明がついています)。

スモールアパチャーとは

その中にあった内容で、スモールアパチャー(直接、スモールアパチャーとは言っていませんが、理解しやすいので使います。)というのがありました。

実はこのスモールアパチャーという考え方は、スーパーチョップスの教科書の中にも図解されている内容だったのですが、全体の流れの中でそれがどのような意味があるのかが理解できていませんでしたし、説明もありませんでした。今回は、このテーマに焦点を合わせて、考えてみたいと思います。

この本の中でいわれているのは、トランペットを演奏する上で、重要とされる内容に関して、いろいろな考え方があるが、どれか一つが重要ということはなく、全部必要なのだという考え方です。この辺が、特に気に入って読み込んでいったわけです。詳しいことは、本を読んでいただくとして、私的に、さらに興味をそそられたのは、次の点です。

①練習において演奏上の注意点、例えば舌の使い方や姿勢の正し方や息の吸い方、などをいっぺんに練習しようとするな。

②5線譜上のGから上の吹き方は、その下の音の吹き方とはちょっと違っている(誤解を招く恐れがありますが、主におなかの圧力のかけ方などのちがいで、下の音については、ほとんどリラックスすることで無理なく出る音域であるといいます)。

③、②と関連するのですが、前出の『スモールアパチャー』ということです。

あれもこれも同時にやるような練習は効率的ではない。絞れ!!

①の練習方法は、確かにいつも、まとめてやっていて、なんか十分でないなというところを意識してやっているということでしたが、それでは、何年たっても上達しないという結果になるのかもしれないなあと実感します。例えば、音階練習でも最初はチェストアップなどの構えにこだわって練習し、次に舌のアーチに気を付けて行い、・・・などなど、プラスしながら練習するほうが集中力も増し、漫然と練習するよりはるかに良いように感じます。てなことを言うのは簡単ですが、事実、私はこんな練習の仕方をしたことはありませんでした。

②の内容は、金管楽器にはかなり共通する内容で、薄々気が付いていても、言葉にして読んだりすると、『そうだよな…、やっぱり』と思うような内容です。さらに、この本の中では、これに関連して、ピボットについても触れています。ここも興味深い内容でした。

③『スモールアパチャー』、これについては、『そういえば思い出した』ということがあります。

長い間、トランペットを吹いていると基本の基本というか、そんなものが見えなくなってきているということを実感しました。

トランペットを吹く前に、基本となるセッティングとして、リラックスした唇を軽く閉じ、息の勢いでアパチャーができるということだと思いますが、そういう吹き方をしていなかったということです。これについては、スーパーチョップスで誤解を受けるような記述があります。それは、『演奏するときには、決して唇どうしをくっつけるな』といっているのです。そもそも、演奏するときには、唇はどちらの場合もくっついていないのですが、この一文で私の中で唇をセッティングの時点で離しておくという誤った観念が植え付けられたようで、今回そこが払しょくされたということです。

それと関連して、このスモールアパチャーを実施するに際しては、音出しの段階で五線内のGまたはC(チューニングC)などからの、音階練習から開始しなさいということです。そして、下降していくにしたがって、アパチャーが開くのを抑えながら、楽器の角度を少し変えるなどで、対応してスモールアパチャーを完成させるということです。詳しくは、本書を読んでいただければ、と思います。

そして、これらを総合して、自分なりにペダルトーンの練習と関連させて考えてみます。

ペダルトーンの練習の中で、多く見られるのが、ペダルからの高音域への飛躍です。これは、Youtubeのペダルの練習の多くのプ紹介者が実施しています。上記のスモールアパチャーを考えるとき、これを逆にしたらどうだろうかと考えました。つまり、高音域の唇で楽器の角度を変えつつ、ペダルに移り、ペダルからまた、楽器の角度をもとに戻しながら高音域に飛ぶという練習はありではないかということです。実際にやっているのは、こんな感じです。

 ハイトーンが苦手なので、本当はオクターブ高い音まで吹きたいのですが、そのうち吹けるようになると慰めながらやっています。というか、このスモールアパチャーが定着するまでは無理をしないようにしようということです。

ここまでのまとめをしてみます。早い話が、演奏を長い間すると、どうしても口が閉まらず開いてきて、高音域が出なくなるのを、改善するという方法です。だと思います。

実は、このスモールアパチャーというのは、昔から言われていたことのように思います。今から、50年以上前に、中学生であった私が教わったラッパの吹き方は、まさにそれでした。唇を閉じ(歯を閉じ合わせるということではありません)、息を吐きかけるという方法です。この時に、体はもちろん、唇を緊張させたりしないということでした。そして、上から降りていく音階練習をしていました。つまり、基本に戻るような感じです。

しかし、この吹き方だけですべての音域をカバーできるほど甘くはないです。そこら辺の調整を前出の本で詳細が述べられていますので、何度も読み返しています。

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