トランペットの息の使い方のなぞ

奏法さすらい記

トランペットの息の使い方については、いろいろ言われています。今まで文章で読んだり、聴いたりしたことをまとめると、吹き込みすぎはいけないということだと思います。その反対作用として、大きく息を吸ってはいけないというのが、私のベースにしているスーパーチョップスの教えです。しかし、これには異論があり、しっかり息を吸うということのほうが一般的なように感じます。どっちでしょう?
こんな動画がありました。

【トランペット】まずは息の出し方から①

ヤマハの提供のようですが、動画だけ見ると何をやっているのかわかりません。おそらく、本編には説明が付されていると思いますが…。
吐き出すところを唇に向けてやっているようにみえます。もしそうだとすると、やはり、あまり強く吹き込むというのは、唇に直接あたる部分が多くなりますので、加減というものが必要になると思います。しかし、別の方法があることを最近、確信しました。
それは、当てるところを唇にするのではなくて、別のところにするという方法です。この方法は、今まで聞いたことがないので、あくまで私には今のところ有効という方法です。

ちょっと話は長くなりますが、50年ほど前に部活でブラスバンドのファーストトランペットをやっていた時に遊び半分でやっていたことでした。当時から、トランペットの舌の使い方は口笛の要領で高低をつけるのだということは知っていました。そして、私は口笛もきれいに吹けたのですが、更に上の前歯の隙間を使ってさらに超高音の口笛もどきの音も出すことができました。そこで、トランペットもその要領で吹いてやれということで吹いた経験がありました。それが成功したのか、失敗したのかは忘れましたが、多分、あまりにも一般的な奏法とはかけ離れて感じたので、やめたのだろうと思います。2か月ほど前に、そのことをふっと思い出し、やってみたところ、これがいいのです。とても息の吐き出しがスムーズであり、高音域になればなるだけ、とても心地よいのです。低音域に関しては、従来通りにして、高音域になるにしたがって、息を前歯の裏側にあてるような感じで吐き出すということになります(さらに高音域では上あごにあてる感じ)。

後付け理論ですが、そうすると思いっきり吹き込んでも、唇から外に出る息の量はわずかになります。つまり、結果として、高音域の吹き方になるというわけです。さらに、利点としては、歯と歯の間から漏れる息の流れで、上唇が上の歯から離れ、自由になってより振動するということです。これは、スーパーチョップスの唱えている核心部分でもあります(スーパーチョップスの場合は、下唇も下の歯から離れていないといけませんがこの仕事は主に舌のポジショニングで行います)。

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そして、この時に上唇は上の歯先の下に来ることはありません。そうすると、今まで以上に息が吐きだせるし、心地よい抵抗感が得られるのです。手持ちの楽器5本を試しにとっかえひっかえやってみたり、マウスピースを変えてみたりしましたが、やはり同じ良い結果しかありません。
疑って考えると、今までの自分の吹き方がおかしかったのではないかと思うぐらいの違いです。つまり、今までは、息を吐き出すというと、口をストレートに通って吐き出すものと思っていました。それは吹き矢を吹く時のようにです。矢を遠くに飛ばすには適した吐き方でしょうが、トランペットを吹くには向いていないのではないか、そんな風に今、思います。しかし、口をすぼめて吐き出すという動作から、知らず知らずにこの吹き矢の要領で息を吐き出していたように思います。

よく言われる吹き込みすぎをコントロールすることは、この吹き矢のような息の吐き方ではなかなか難しいですが、上の歯の裏に息を当ててやる要領でやると、これがうまくいくのです。

そもそも、これをやろうとしたきっかけは、前回の記事でご紹介しましたペダルトーンの練習中でした。まず、チューニングCからペダルCへ下降していきます。次はBからペダルBへいき、一通り下り終わったら、ペダルトーンへ下げてあげての往復練習をし、それも終わったら、更にリップスラーのようにペダルから上がるようにしていきます。一気にこの練習をやるのではなくて、練習の合間、合間に挟んでやります。この方法が結構、無理な吹き方にならず、いい感じです。

そんなペダルの練習をしているうちに、リップスラーでダブルハイCに到達できるようになりました(たまにできないときがあります)。なんとか、このペダルトーンから、高音域にリップスラーで上がれないかと、練習していました。その練習中にひらめいたのでした。しかし、それだけではないのです、ペダルの練習の成果は。続きはまた、後日。

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